予知能力に近い様な…。
うちの死んだ爺ちゃん、顎尻おやじの育ての親!!この爺ちゃん、顎尻おやじが若い時から不思議な力を持っていた。こんな事を書くと、やばい宗教でも入っているのでは??と思われるかもしれないが決してそんなことはない。
でも事実あったのだ。
今日は、そんな爺ちゃんの不思議な力の話をする。
爺ちゃんってね、毎朝早朝から起きてね、神棚を拝んだり、仏壇を拝んだりキッチリとするだった。顎尻おやじが物心着いた時には、もうそうやった。いつからそうなのかは正直知らない。でもキッチリとしたひとだった。
そんな爺ちゃんが、たまに呟くのである。この呟きに結構
力
パワー
がある。
ボソって言う時もあるし、力強く言う時もあるんですが…。
私が大学生の時、貧乏長屋に爺ちゃんらと住んでたんですが、その時もね、犬を一匹飼ってましてね。徳島のお墓の近くに居てた
黒色のミニ柴犬。
名前を
龍(りゅう)
ってつけていた。顎尻おやじの妹、モーモーも、龍が大好きでね。とても大切にしていた。ほんま貧しい生活をしていたからね、豪華な犬小屋なんかもなく、長屋の前に小さな小さな犬小屋で飼っていた。その龍がね、
病気
になった。多分、
フィラリア
だったと思う。薬なども飲ませていたと記憶するんですが、何故か…。
そして、モーモーが近所の動物病院に龍を連れて行った。そうすると、一晩、龍を預かって検査などをして、必要なら手術もしないといけないって言われた様で…。
明日は連絡つく様にしておいてくださいって言われて龍を動物病院に預けて帰ってきた。
当然、モーモーも元気ない。
顎尻おやじもチョッピリ心配。
そんな状況で次の日の朝を迎える。顎尻おやじは大学生で確かその日は昼からバイトの日。バイトも
休まなあかんかなぁ
って思っていた。その時、モーモーは学生やったかな??その辺りはよく覚えてないんやが…。多分、家で待機していたと思う。そして、顎尻おやじも
今日は、バイト休んで病院からの連絡待ち
をしようと思っていた矢先、爺ちゃんが、顎尻おやじに
「アルバイトに行きなさい。残念やが、龍はもうアカン…。」
って心なしか力のない言葉で言った。しかし顎尻おやじは若いので爺ちゃんに
「なんで、そんな事を言うんや、病気のことも知らないし、もないのに…。」
「酷いやろう、心配している俺らにそんな事を言うなんて…。」
と怒りをぶち撒けてしまった。
そんなやりとりをしている間に家の
黒電話が鳴った。
動物病院からの電話だった。
龍の死
の知らせだった。
家族中で泣いた。ただそれだけ覚えているが…。今となっては、爺ちゃんの予言の様な呟きに驚いたのをモーモーと克明に覚えている。
そんな頃に、もう一つ不思議なことが…。
顎尻おやじは大学から就職するとき、日本経済はバブル景気が崩壊し最悪な時て就職するのも大変だった。それまで学生は強気な就職活動をしていたが私の時は、もう
最悪
な状態で中々、企業の内定なども貰えない状況。ましてや顎尻おやじの様な四流大学では最悪である。
そんな状況下の中で就職活動をしていると死んだ婆ちゃんがね、顎尻おやじに
「心配せんでええよ。お前の就職先は〇〇やから…。」
ってまだ合格もしてなかったところを顎尻おやじに告げた。そして私が
「なんで、そんなん言えるん????????」
って言うと
「あんたの就職先を心配していた私に爺ちゃんが、そっと言ってくれてん」
「だから、絶対にそうやって思っているし心配してない」
って言った。
そんなまだ何も決めてないし、色々と企業の試験も受けるつもりでいる。
それなのに…。
なんでか、その言葉に洗脳されたのか??嫌それはないが、その爺ちゃんが言い当てた仕事場が
今まで続けている仕事である。
しかし、びっくりしたね。当時はね。合格もしてないしね、まだまだ就職活動始まったばかりの時やったからね。
適当な事言いよるな
ぐらいに思っていたんやが、それが現実となり今も続いている…。そんなこともあり家族はいつも爺ちゃんの呟きに真剣に耳を傾けていた。
そして丁度、同じ時期に今度は違う
パワー
を感じさせられる機会があった。
爺ちゃんの妹のご主人さんが亡くなった。連絡を受けすぐさま車で爺ちゃんを連れて妹さんの家に行った。どれも30年ほど前の話なので記憶も曖昧なところがあるが、爺ちゃんの
パワー
だけは克明に覚えているし、それが不思議だ。
妹さんの家には、爺ちゃんの妹さんと御遺体。それに葬儀屋さんの男性一人が家の中にいた。
早速、爺ちゃんと顎尻おやじは御遺体に手を合わせて、爺ちゃんの妹さんの話を聞いていた。そんなことをしていると、御遺体を外に運ばないと行けないことになった。多分、棺桶が家の中に入らないかなにかで…。
理由はちょっと覚えていないんですが、家の外に出さないと棺桶に入れれない状況であったのは覚えている。
確か、家は団地で4階ぐらいの高さのところ。階段も狭く、玄関も狭く(物が一杯置いてあったためかなぁ)棺桶が入らなかったのだろう。それで御遺体を外に一旦運ぶことになったようで、葬儀屋さんが、
「人手を用意してきます。」
って言うのです。
その言葉に、妹さんが、御遺体を見て
「誰にもお父さん、触らせたくない…。」
って言い出して。その言葉と想いを爺ちゃんが受けて、
「それなら、下まで四人で運ぼう…。」
と言った。その言葉が終わるや否や、葬儀屋さんの男性が
「それは無理ですわ。御遺体は重いですし、運ぶにはコツが入ります。」
「それに、この四人で運んで御遺体を落としたりしたら大変です。」
「それに奥様やお兄さんも万が一怪我でもされたら御遺体が悲しみます。」
なんて言うんです。
でも至極当たり前。
私が考えても無理。重すぎる。エレベーターもないあんな狭い階段。年寄り二人含めた四人で慣れているのは葬儀屋さんの男性一人ってのは、
絶対にどう考えても、
無理
であることは分かった。
せやのに、せやのに、爺ちゃんまた、
「妹がそう言うなら、やっぱり、この四人で運び出そう…」
って言うてえね、御遺体を包んである布を持ち上げようとするのです。正直
えー
無理や、無理。
って思ったんですが、爺ちゃんが辞めないことから仕方なしに顎尻おやじも葬儀屋さんの男の人も四方を囲む形で持ち上げたんです。その時点ですでに
激重!!
腰が抜けそうって思うほど。でもやっとの思いで玄関の外まで出せたけど、顎尻おやじ既にめちゃくちゃ全身に汗、汗、汗。少しでも爺ちゃんや、爺ちゃんの妹に負担をかけない様に頑張ってたんですよ。
でもね、玄関出て階段見たら、
「こら、アカン。」
「みんな、転けてしまうわ」
ってホンマに思ってしまった。たぶん葬儀屋さんの男の人も、
これが限界
って心の中で思いはったと思う。
そしたらね、そしたらですよ。爺ちゃん、なにやら
ブツブツと呟いてる
んですよ。聞こえるか聞こえないかの声で。
呪文
なのか、
お経
なのか分からないが、確かに声は四人に否、御遺体も合わせて五人には聞こえているはず。そしたらね、なんでかね、なんでか今まで持ってた
御遺体が軽くなった。
そして、
嘘や…・・・・???????
って思った途端に
一段と軽くなった。
これなら持てる
って感じの重たさ。
でも、なんで?????????????????
って顎尻おやじが思う前に、葬儀屋さんの男性もビックリしていた。声にはださなかったが、
確かに怯えていた…。
それはそうだろう。今まであれだけ重たかった御遺体が、軽く感じて持ち運べてるんだから…。顎尻おやじもこれまでの予言などが無かったら、腰を抜かしていただろう。でも爺ちゃんの不思議な力に少しづつ気づいていたので、そこまでではなかった。
でも、この人…。どこまで見えてて、どこまでパワーがあるんやろう??
って階段降りてる間、ずっと思っていた。
そして下まで御遺体を持っていき車に収めた後、爺ちゃんが
「出来たやろう…??すべてが科学で言い表せるとは限らない…。」
って呟いた。どうやら顎尻おやじが知らない世界ってあるようだ。
人間、見えている物が全てではない…。
そう思わされた機会であった。
これからも爺ちゃんの不思議なパワー!!
たまに、書きます。
まだまだ、ありますので。
ビックリ、パワー!!
それでは、また。
つづく…。
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