さあ、生き残れるか?!いや、勝ち取るのか!!レモンの孤独な戦いは…。
最近のブログ記事が空手特集の様になってしまい、ごめんなさい。
それだけ我が家が現在、空手試合参加率が高く、どうしても記事になってしまう…。でも正直、ここまで続くとは思わなかった。
ハウルとレモンが色々な空手の試合に出る様になったのは、今年の4月。それから今の空手生活が始まったと言っていい。毎週試合。その為の日々。親も結構大変。
ザ・マネージャーって感じの生活。郵便局の現金書留を沢山買って来て、大会が告知されれば家族全員の予定を聞いては申し込むって感じ。正直、予定を聞くって言うよりは、空手の予定に皆が合わすというところまで来ている。
そんな生活をしているなかで、ハウルとレモンが出場したいって思える大会がある。それが、
リアルチャンピオンシップの決勝大会
である。
宮野道場主催で、毎年1月、兵庫県は宝塚で開かれる子供達の憧れの大会。この大会に出る為には、各道場が開催するリアルチャンピオンの予選会に勝ち進み決勝大会に出場するための
権利
を勝ち取らなければならない。
その権利を取得したい為に各道場の大会に出ているのですが、これまたウチの子の様に、ほとんどのお子様が、権利を取りたい!!とかんばっておられるので、ウチの様な弱子の兄弟には中々至難の業。権利が取れないのである。
しかし、同じ道場生で一緒に大会に出ている子供達もなんとか努力して権利を取得し、ハウルも遅ばせながら先日、権利を奪い取った。
しかし、しかしである。レモンがその出場権利を持っていないのである。どちらかと言えばハウルより勝気でハウルよりエエ試合をしているレモンが、ここまで権利を取得するのに苦労するとは、顎尻おやじも思っていなかった。
その権利取得の関西最終試合が、先日行われた
宮野道場主催、リアルチャンピオンシップ予選会
ファイナルカップ
である。出場者は結構多く、権利を取得していない者しか出れない。ハウルも出る予定で申し込んでいたが、最近、権利を獲得したからでれない。そんな中、レモンのみ出場することになった。同じ道場の試合仲間も当然出場する者がおらず、レモン一騎がけ!!
そしてハウルは卓球クラブの試合で応援もなし。
そんな状況の中、豊中の試合会場まで赴いた。午後からの試合であるが、開始早々2試合目。受付を済ます前に、早々に道着に着替えてアップをする。いつもより、しっかりアップをするレモン。気持ちが入っていることが伺える。
そんなアップをしている中、またもや、あの徳島大会まで来てくれたお友達がお父さんと共に応援に現れた。レモンも緊張の中、うれしそう…。よってセコンドは妻とそのお友達の二人。吾輩は場外。なんか、いい意味でそれも慣れて来た。
試合が2試合目であることから、待機時間もそうなく、大会が開始されて、すぐ試合と言う感じ。相手は、体格的にもガッチリとした感じの子供さん。そして、
右前に構える、所謂、サースポー
最近の流行りなのか、強い子はサースポーが多い様な感じもする…。
安定感がありそうな感じの選手。レモンはハウルと一緒で背は高いのですが、ハウルと比べると細い、細い漢。だからパワー負けしないか、いつも心配。
その想像通り、若干パワー不足を否めないまま試合開始早々、押されていくが、徐々に技で盛り返していく。レモンは突きが弱いのが弱点であるが、下段蹴りと膝、そして時折出す、
変則の上段前蹴り
が得意技。その技で数々の?(と言うと大袈裟か…。でも彼の技ありは殆どが上段前蹴り)技ありを奪って来た。その下段が有効に決まり、試合終了直前に、
会心の一撃、上段前蹴り
が決まり、終了。正直、顎尻おやじが見るに
技あり
を取ってくれても良かったと思えるほど、ヒットしていたが技ありを取らず。そして判定へ。
レモンの優勢勝ち
であった。
正直なところ、レモンの試合を見て来ているが、最近は試合回数が増えたことにより試合慣れして来て動きが良かったのに、今日はいつになく動きが硬く
緊張
しているようだった。やはり最後というのが緊張をもたらしているのか?その中での勝利は大きい。
そして次の試合を待つ間に、顎尻おやじが試合相手を見つけてしまった。
中々、強そうな勝気な子供さん。体格も良い。
と言う印象。
レモンやばいかなぁ
と心の中で不安が過った。そして、2回戦へ。セコンドの友達も必死になって応援。顎尻おやじと一緒で場外から、その友達のお父さんも応援してくれている声がする。そんな中、始まった2回戦は開始早々、完全に押され気味。
左の強い下突きの連打から、左膝、左上段回し蹴り
と勝者のパターンであるコンビネーションを上手く使う選手。
これが6年生の技術か??
帯も低い様だし、余程、良い指導者に恵まれているんだなぁ
と感じさせる強者の相手。一気にレモンは押されて、相手選手の上段蹴りを交わすのがやっとの状態。そして、あれよあれよと言う間に、試合場の端まで追いやられた。(後でレモンに聞くと、今までで1番ボディーを効かされた相手で下段蹴りも強かったとのこと。)
セコンドの二人は必死に応援するも、このままでは場外に出される状況で、印象が極端に悪くなるような瀬戸際に立たされていた。今まで以上に、セコンドの二人も必死に
回れ、回れ
と場外に追い出されるのを回避するアドバイスをするのがやっとの状況。
そのアドバイスを聞いてレモンがやっとの思いで体を入れ替え場外に押し出されるのを回避し、体勢を立て直そうとしたところを強者の相手が見逃すわけもなく、すぐさま追い討ちを駆けようと、レモンに近づいた瞬間刹那
上段前蹴り
が
カウンター
で入り、相手選手の顎を跳ね上げる形で決めた。そして、レモンの
決めポーズ
も入り。技あり。完璧な
カウンターの上段前蹴り
であった。
その後も、試合が再開されるが、やはり強い突きと、下段、膝と浴び、後ろ回し蹴りなどを出されるも辛くも逃げ切り、判定。
レモンの勝利
で試合は幕を閉じた。
正直、試合は完敗である。体格も技術も、技の威力も全て負けていた。何も優っていたところは、贔屓目に見てもない状況。勝ったのは、レモンも言っていたが、
意地
の勝利であった。本人曰く、
「ここしかないって所で、思い切り得意技をだした。」
「本戦の大会に行きたかった」
「意地でも行きたかった」
その気持ちで勝った試合だった。
相手選手のセコンドに付いていた立派なお姿の先生らしき人も、表情などから、愛弟子が勝っていた試合にまさかの一撃で逆転負けした悔しさが滲み出ていた。
レモンも息が切れ切れになり、
「ボディーが痛い」
と言いながら退場した。
セコンドの二人は次の試合があるにも関わらず、大喜びで、妻はハウルが権利を勝ち取った時のように、涙目になっていた。そこで、
「あかんよ、まだ試合は続く。あの大きなトロフィー欲しかったら、次の試合を勝たないと」
と気合を入れてレモンに伝えた。本人はしっかりとその意味を理解している様で、浮かれた様子はなかったが、妻と応援に来てくれた友達は、
まさか、まさかの逆転勝利に酔っている
感があった。なぜなら、この時点で、レモンが欲しくて欲しくて仕方がなかった
リアルチャンピオンシップの決勝大会の権利を獲得
したからである。
ただ、まだ試合は続くし、これからはモット強い相手が出てくるので、セコンドの二人の浮かれた気持ちを一度、引き締めることが必要なぐらいの浮かれ様だった。
そして、3試合目。これまた、どっしりと隙のない構えをする相手。体格もガッチリとしたフルコンタクト空手タイプの選手。
試合が始まり、ファーストコンタクトが早いのが子供の試合の特徴であるが、二人とも、どっしりと構えて左に行ったり右に行ったりと相手の隙を窺っている。どちらも警戒している。顎尻おやじが見るに、どちらかと言えばレモンの相手が、レモンの上段蹴りを警戒して飛び込んで来ない状況に見えた。
そして右構え(サースポー)の構えから左構えに変えたりと変則な構えを見せる相手
そう思っていたらファーストコンタクトがあり、レモンの上段前蹴りが浅く入るも蹌踉(よろ)けるぐらいでポイントにもならず、そこから突き、下段の応酬。
そして時折出すレモンの上段蹴りで、また別れて様子を見ると言う展開。この相手選手も、しっかりと基礎ができている選手で、突き蹴りのパワーも強いものがあった。見ていて若干パワーでレモンより上回っている感がある…。
そして両者、決め手がないまま判定へ。
旗が一本、相手選手に上がるも引き分け。
顎尻おやじが見てても、引き分けが妥当だと思っていた。しかし、ここでレモンに活路が見出せるか心配であった。旗が一本相手に上がっている現実を跳ね返せるか…。ここが見ものであった。
延長戦が始まっても、迂闊には飛び込まない両者。実力差はそんなにない感があるが…。
そして戦闘体制に入ったとたん、どちらも強い下段の応酬。相手も体重をフルに活かした上から落とす下段。レモンも確実に蹴り返している様に見えた。
が、ジリジリと僅かではあるが、本当に僅かではあるが、下がりつつあるレモン。それを分かっているのか、起死回生の上段を狙っていくも不発に終わり、タイムアップ。判定は??
レモンの負け
であった。顎尻おやじが見てても、
どちらか絶対に旗を上げるなら相手選手かなぁ
と思えるほどの僅差。延長まで戦い終えても
息を静かに整えながらの不動立ち
に成長も見えるなかの敗北。確かに惜しい試合だった…。やりようによっては勝てたかもしれない。でもやはり相手選手が
一枚上
か…。しかし、レモンも汗だくになりながら良く頑張った。セコンドの二人もヘロヘロ。
3位
と言う結果に満足はしてないだろうが、(顎尻おやじは一位をどうしても取って欲しかった)決勝大会の権利は獲得できた。心なしか、3位のトロフィーや賞状より、
決勝大会の申し込み用紙を大切に持つ
レモンの姿がそこにはあった。
そして、帰りの車中で、妻が
「本当に疲れた、滅茶苦茶疲れた。こんなに疲れた試合観戦はなかった…。」
と呟くと、いつもなら
「なんで試合しない、あんたらが疲れるの??」
って親を馬鹿にした様な口調で言い捨てるレモンも
「俺も、滅茶苦茶疲れた。今日は帰ってゆっくりする。」
「やっと心配事がなくなった」
と出場権利を得たことに安堵していた。そして続けて妻が、
「奥歯が痛い、セコンドで奥歯噛み締めて応援してたみたいで頭痛が…。」
とこちらも必死に何かと戦ってた様で…。
まあ、これでウチの二人もお友達と一緒に
リアルチャンピオンシップの決勝大会に出場できる。
そして、こんな試合三昧がいつまで続くやら…。ウチみたいな、こんな親子空手している親御さんが沢山居られるでしょうが、ご苦労をお察し申し上げて、本日のブログを終えたいと思います。
めでたし、めでたし。
それでは、また…。つづく。
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