これ程、武道の真理を端的に表したものはないかもしれない…。
私、顎尻おやじは格闘技が大好きなんですよね。子供の頃から。それこそアントニオ猪木さんのプロレスからUWFの高田延彦さんに始まり、ボクシングの渡辺二郎さん、辰吉丈一郎さん。極真空手の八巻健二さん、数見肇さん(今は数見道場かな)正道会館の佐竹雅昭さんに武蔵さん。
もと極真でK-1で活躍したアンディフグさんにフランシスコフィリオさん。
憧れましてね…。みなさんに…。
最近では、那須川天心さんにボクシングのモンスター井上尚弥さん等などライジンやK-1の戦士等、魅力的な若い方がいっぱい。素晴らしい活躍。ほんまに上げてもあげてもキリがないくらいカッコいい闘う漢達。素晴らしい。
ほんとその時代、その時代、夢中になって見てましたね。まあ、顎尻おやじも色々な格闘技をかじったりしたのですが、恥ずかしながら、胸を張って言えるようようなものはなく、結局のところ、見る専門でしたかね、格闘技。
そんな格闘技において特に、武道と呼ばれる枠において、よく
心・技・体
と記されていることがある。格闘技、武道において体の大きさ、フィジカルの強さって大切な部分であることは間違い無いのですが、
心・技、体
と
心
が1番初めに書かれてある意味が子供の空手の試合を見ていると感じさせられます。(まあ1番初めに書かれているからと言って1番大切やと言う意味ではないとは思うのですが…。)
今日は、そんな子供達の空手の試合のお話を…。
ウチの子供は四歳ぐらいからハウルもレモンも空手をやっている。空手は流派が多く色々有り過ぎて一言では語れないが、所謂フルコンタクト空手をしている。道場には試合などには出ずにどちらかと言うと、礼儀作法や、大きな声で物おじせず話せるとか、いじめられない様にとか、空手の試合は度外視して、どちらかと言うとお稽古事のように習わせている親御さんも多い。
ウチもその気持ちで習わせているが、ハウルもレモンも試合に出たいタイプ。
まったく強く無いのに、ハッキリ言って弱いのに
出たい
タイプ。
多分、五歳くらいかな、それぐらいから年に数度ある道場主催の空手大会に出場している。その為にと言うか、顎尻おやじも少し空手をかじっていたこともあり、家でも特訓をするのですが、ウチの子は、顎尻おやじの言う事は聞かないタイプ。空手の先生と同じ事を言ってても俺の話は耳に入らないタイプ。
よって試合前の吾輩との自主練習は全くもって無駄。
二人が少し大きくなってから、
「ボクシングの亀田兄弟も、井上尚弥も、キックの那須川天心も皆んな強くなった人はお父さんの、親しか分からん子供の特徴を加味したアドバイスを聞いて強くなっているよ…。」
って話しても顎尻おやじの話は全く耳に入らないタイプ。
挙げ句の果てに、
「俺らにそんな偉そうな事を言うなら、
ママに勝ってから言え…!!!!!!!!!!!」
ともっともそうなお言葉を吐き捨てる二人。
ほんま、漢は辛いよ…。
うちの子の試合の話なんですが、実はね、ウチのハウルとレモンは結構戦い方が違う。まあ、性格が違うからそうなるんですが、同じ先生に教えてもらって、同じ顎尻おやじからのアドバイスで育ってるわけなんですがね、やはり試合運びが違う。
ハウルは類稀な体格の持ち主。レモンは背は高いが細身。それだけでも違うが、内面がさらに違う。ハウルはよく言えば慎重派。レモンはイケイケ。ハウルは相手の出方を伺うが、レモンは常に自分のペースで戦う。
ただこれだけは共通している。
五歳ぐらいから毎年数試合の空手組手試合にでるも、ほぼ必ずと言っていい程、
一回戦負け。
お子さんによっては、表彰状とトロフィーを持って帰るが、ウチの子は二人揃ってほぼない。試合時間、1分から1分半で1試合が終了するので、延長戦などに行かなければ、ものの見事に数分で二人の試合が終わる。
その数分の為に、妻ともども試合の用意をして、食事なども考えてと結構大変なのである。さらに参加費もバカにならない。二人でだいたい1万5千円前後払うのである。二人で2、3分の為に…。
結構、悲惨な話である。
そして、見せ場もなく終わっていくのをセコンド席から見る親も辛い…。どれだけ辛いかと言うと見ていてフラストレーションが溜まると言うか、結構、ストレスも溜まる。
特にハウルが妻の怒りを買う。
妻は当然、空手の経験などないが、まあ私の妻になるぐらいである、イケイケとまでは行かないが、気の弱い漢が嫌いである。そこで、類稀な体格を持ったハウルが
全く前に出ることもなく、殴られっぱなしで試合を終えると
怒り満チクリンである。(満チクリンって言葉あるの??知らんけど…。)
「あの体で前に出れない心って言うか、闘争心のなさに腹立つ!!!!!!!」
と雷さんが怒ります。それにハウルは気が真面目で極度の緊張しいである。その為、実力の10分の1も出せいないタイプ。その戦いぶりを見ていたら、格闘技、武道は体も技も大切であるが、やはりなんと言っても
心、こころ、ココロ、❤️
である。闘争心。
よくボクシングの世界で、初めてグローブをつけた時に、その闘争心を伺える話がある。
初めてつけたグローブを見て、これで殴り合ったら痛いなぁと思うか、これで殴ったんら相手倒れるやろうって思うのかの違い。同じこと、同じグローブをつけても考え方、感じ方は真逆。当然、ハウルは前者、レモンは後者となる。
話戻って、横で一緒になって応援している私にも妻のその怒りが伝わるぐらいである。毎回そうなのであるが、とある試合会場で怒り💢狂って
私に道着貸せ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
っと怒鳴る有様でして。でもね、そんな事を言いながらもね、ウチは余り怒らないんですよ。子供達にはね。怒らないって言うより試合でのエエところ見つけては褒めて帰る。(あんまり無いねんけど、贔屓目に見てもね…。)褒めないと伸びんからね??でも伸びんねぇ〜〜〜。それにね、夫婦二人とも、そんなに運動神経が良くない。良くないって言うよりも悪いに近い。だから
仕方ないかなぁ
とも心の中で思う。でもやはり自分の子供がボコボコにされて負けるのは辛いし、自分が殴られてるぐらいに思うし情けない。だから妻の怒りは分からないでもない。それに下がる一方のハウルの戦い方が余りにも見ててイラつくのである。
一方、レモンも負けるのが当たり前ぐらいなんですが、戦い方が違う。負けると分かっていてもイケイケで攻める、攻める。
デカイ相手にも逃げない。(さすが穴に指を突っ込んでカニを取るだけの根性ある奴)
だから、妻の怒りはない。レモンの頑張っている姿が、必死の戦いが妻の怒りを凌駕する。
まあ、同じ兄弟なのに、戦い方が違う。
まあ、怪我さえ無かったらそれでエエんですが…。
そう何度も言い聞かせて、相当な年数になるのですがね。
まあ、本人らも負けてばかりで辛いんやろうけどね。でも辛いのかと思えば、その大会が終わって、また次の大会の案内があると、必ずと言っていいほど、二人揃って
「大会に出る」
と言ってくる。これはなんなんやろうか???って夫婦で不思議で仕方ない。道場では大会に出る子が1割か多くて2割程度。少なかったら数人なんて時もある。しかし、大会に出続けてるのは、ウチの道場では1番のハウルとレモン。もうそろそろ目がでないかなぁって思っている。
それに格闘技の試合は他のスポーツと違って怪我したり下手をすると死ぬこともあるのである、それなのに負け続けても出続ける。(本当に怖いはずである)
これって才能?????
って勘違いしたくなるくらいである。それにいつ見ても頑張っているって感じが全く見えなかった二人である。
それが、それがである。
ちょっと芽が出てきたかもしれないのである。
今年に入ってハウルもレモンも
「空手が面白い…。」
って言い出した。なんなんやろう、今まで一度もそんな事言ってきたことないのに…。ある意味、今までの修行年数は何やったの?????
なんのキッカケか、そんな物ないのか知らないが、そんな事を言いだす。そして同じ道場の違う支部にも行って練習も倍するようになった。そして、そんな変化があったかと思うと、ハウルから、
「違う空手道場の大会にも出たいから、連れて行ける範囲で良いから、何試合もさせてくれ」
との申し出。レモンに聞いても何故かやる気満々。一緒に試合に出ると言う。
以前から何度も言っていることではあるが、世の中分からないものである…。
そして、その希望にそって色々な大会に出る様になったのであるが、これまた結構な負担なのです。でも顎尻おやじも妻も
全賭けするタイプ
ここだっと思ったら、全部行ってしまうタイプ。一気呵成!!今まで相当な時間とお金をかけてきたのに、そんなの忘れるタイプ。子供達二人の
面白い
って気持ちに
全賭け
している。
そうするとね、不思議やね。レモンが4月から今日までに二つのトロフィーを我が家にもたらした。(優勝ではないけどね…。)ハウルも歯痒い試合内容に変わりはないが、それでも何か、
変化
が見える。間違いなく何かある。極度の緊張さえ取れれば
化けるのでは…。
と思わす何かが…。
その何かに全賭けして、今年の夏休みは空手三昧。
実は明日も試合があり、(7月30日)それを皮切りに毎週6試合もする。たぶん、空手の先生もアホかって思っていると思う。それでも8月の日曜日は全て大会って感じ。お盆などは2日連続での試合もある。それほど全賭けした。(出場料金だけでちょっとした旅行に行けるほどであるが、言うまい、言うまい。)
明日から、どうなるやろう…。
今までの大会前日より、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、期待と不安が入り混じる、夫婦であった。
つづく…。
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