鎖で繋がれたサーカスの象の話って知ってます??呪縛から抜け出せない漢達の戦い…。
いきなりですが、鎖で繋がれたサーカスの象の話!!知ってます??
サーカスにいる像は、普段小さな杭に繋がれた「鎖」を足に巻かれているだけで管理されています。
象ほどの巨体ならば、”杭を根こそぎ引っこ抜くほどの力”を持っているはずです。それなのに象は、なぜ逃げようとしないのでしょうか?
もし自分が象の立場だったら、そんな「鎖」なんか引きちぎってサーカスから逃げ出し自由の道を選択するでしょう。しかし象はサーカスから逃げる選択肢はないのです。
なぜ象が逃げ出さないのか、サーカスのピエロに聞いたところ、
「サーカスの象が逃げないのは、生まれたばかりの子象の時から杭に繋がれているからです。」
「つまりサーカスにいる象は何回も何回も逃げようと試みていたのです。でも子象の時は小さくて、杭を根こそぎ引っこ抜くほどの力はまだありません。」
「なので、どんなに頑張っても「鎖」から逃げることが出来なかったのです。」
「次の日も、次の日も、そのまた次の日も…何度も繰り返し「鎖」を引きちぎろうとしたが出来なかった…。」
「そして、ある日…子象は逃げる事を完全に諦めたのです。」
「その子象は、この「鎖」と杭に繋がれてると逃げることが出来ない…と思い込んでしまったのです。」
「足についた杭と「鎖」はこういうものだと、子象の頃に理解したのです。」
「だからサーカスの象は逃げないのです。」
「いくら巨体になっても、その杭を「鎖」を引っこ抜く力があったとしても、象は
できない
と思い込んでいるから逃げないのです。」
と答えたと言います。
みなさん、どうでしょうか?中々深い話ではないですか??
実は先日、この話をハウルとレモンにしたのです。ハウルとレモンはどうこの話を聞き心に留めたのでしょうか??聞き流しに終わっているのでしょうか??
顎尻おやじはハウルとレモンの空手は、この鎖に繋がれた
象
と一緒だと以前から考えているのです。
そんな思いはさておき、今回はリアルチャンピオン選抜大会、
近畿空手道選手権大会に参戦
して来ました。去年、他流派の試合に出たいと言って間がない頃に参戦させてもらった大会で、今回も参戦した理由は
トロフィーがでかい
ことと親目線では近場と言う、子供と親の都合が上手く折り合ったことからの、全くもって
不純極まりない参戦理由
からであった。
そして、珍しく同じ道場の子供達が多く参戦しているこの大会を妻も他の親御さんと会えることから楽しみにしていた。
大会会場は、
堺市にある原池公園体育館。
同施設で野球などもしていたことから、駐車場に停めれず、大渋滞を引き起こしていた。たまたま車で駐車待ちをしていたところ、職場の後輩が車で通りがかり声を掛けてくれて駐車スペースを案内してくれなかったら、試合に間に合わなかったかもしれないくらい混んでいた。
午後からの試合であるが、会場に入り早々にアップをしなければならないハウルとレモン。本日も先にハウルの試合からではあるが、ほぼ同じタイミングでレモンも一回戦が行われる予定…。その為、ほぼ同時にアップをしなければならなかったのだが…これまた駐車場以上にアップ場が込み込み状態でまともに蹴りの練習もできない様な狭さ。まさに
アップアップ場
となっている。その場に居るだけで
汗だく
となる状態であった。コロナの頃なら完全に集団感染してるレベルの混み様に、先が思いやられる感があった。
満足なアップも出来ないまま試合会場に足を向けたのであるが、これまた狭い!!
先日、中央体育館のアリーナで
正道会館、全関西
をゆったりと参戦して来た顎尻家としては正に、満員列車という感じの試合会場であった。
はっきり言って、この参加者で、コートの面数考えたら、もうちょっとお金出して広い会場でしてもらえませんか??と言いたくなる程の劣悪環境。試合途中でアナウンスが入り試合場に関係者以外、移動する様に言うも、そもそも移動できる、見る場所もないのだ…。妻も少し怒り気味!!
プンプン
そして同じ道場の選手達が戦って順当に1回戦を勝ち進んでいく中でハウルの試合が近づいていた。今日は1回戦からその後を考えても、今まで対戦経験のある相手選手。そしてすでにアップ場で本日の最終目標と言ってもいい相手
宮野道場の重量級のエース
〇〇君(今からエース君と称する)
のお父さんからハウルと一緒に声を掛けてもらっていた。
そしてエース君のお父さんの
「決勝で会おう!!」
の言葉に上手く返せないハウルの戸惑った顔が印象的であった…。
そこまで行けるか行けないかは別として、せめて
「頑張ります!!」
って言えんか…。
そしてハウルの1回戦。今まで3回も戦ったことのある相手選手。宇宙君(ソラ君、そう記す。)宇宙君とは過去、
2勝1敗
と勝ち越してはいるが…。宇宙君を見るに…。何か痩せたというか引き締まった様な感じがした。どちらかというとハウルと当たる子は空手家というよりは柔道家という様な体系の子が多いのだが、宇宙君も、その一人であったのだが…。何かあったのか??と顎尻おやじは一人首を捻っていたが、その理由が試合開始後に解けた。
セコンドは当然、妻とレモン。自分の試合が後に控えているだけにヘッドギアやグローブを持ってのセコンドとなった。顎尻おやじはいつもの定位置で映像部隊。朝からいつもの様に
ドキンちゃん(ど緊張)状態
だったハウルだけに心配はしていた。そして試合開始。いきなり相手選手が猛ダッシュで間合いを詰める。それに合わせた様に技を出したハウルだが、宇宙君のスピードの方が早くハウルの技が上手く当たらなかった。そこで少し先程の謎が溶け出した…。
互いに突きと下段の応酬
となる試合展開。これは今までの対戦と同じ展開。
しかし以前二試合と明らかに違うのだ。これまでの三試合は宇宙君はハウルと対戦する際には互いに突きと下段の応酬となるのだが、ハウルも宇宙君もベッタリと足を床につけて真正面からの殴り合いというのが当たり前であったのだが、
宇宙君がフットワークを駆使
してハウルの大きな体の周りを回る様に技を繰り出すのだ。
以前と比べて体がシェイプされてたのは恐らくこのフットワークが原因ではなかろうかと思料された。明らかに動きが早くなった
宇宙君
相当練習をしたのだろう…。宇宙君に得意の技を入れようとするもハウルも捉えきれず歯痒い思いをしている様に見えた。そして中盤、
動きの速い宇宙君の突きに押される
場面まで出て来た。顎尻おやじもスマホの画面越しに
やばいなぁ、簡単に勝たせては貰えんなぁ…。
と思っていた。
宇宙君もハウルと当たるのは分かっていたし、やはりそれなりに対策を講じて来ているのだろう…。そしてそれが功を奏する形になって来ていた。
しかし、今日のハウルは得意技
ハウルの動かない城
を出さないのだ。
正直なところ、やはり初戦で動きは硬いのだが、動く的(宇宙君)を的確に、そして自分の技が外れても気にせずドンドン次の技を出していく積極性が見え、ついに宇宙君の体を捉えてコート際まで追い込み、そこで宇宙君を倒す様な形で突きと下段を出し切った。多分その際、
宇宙君は足を痛めた
と顎尻おやじには見えた。そしてその後試合終了。
ハウルの完勝
であった。試合後、宇宙君に挨拶に行き帰って来たハウルは顎尻おやじに
「宇宙!!めちゃくちゃ強くなってた!!」
「動けるし、痩せてるし、驚いたことばかりや!!」
「やばかったわ!!」
と言っていた。やはり
男子三日会わざれば、刮目してみよ
である。(セコンドに入っていた妻も宇宙君の変化に気づいていたらしい…。)今後もハウルの前に立ちはだかるライバルとなるだろう宇宙君の成長であった。
そして続いてレモンの試合へ。ハウルの試合後余り時間がなかった。レモンを見るとアップも余りしていないのに、
顔が真っ赤
であった。暑いのである。
気温もこの季節にしては確かに高いのだが、会場自体が狭く人混みで多く、更にだいぶ前から防具を付けていることから熱中症になりかけてたのかも??と思えるぐらいの赤みだった。そしてそれに気づいた顎尻おやじはクーラーボックスから氷を出してレモンの首元を冷やしてやった。更に、ハウルにもお茶ではなく、
アクエリアス
を手渡し、熱中症に気をつける様に指示をだした。
そしてレモンの試合が始まる前に、相手選手とそのお父さんがレモンと妻に声を掛けてくれたのだ。この時、顎尻おやじは
やばいかなぁ…。
相手、相当自信あるんやろうなぁ…。
と感じていた。
これは普段ハウルとレモンにも言っていることなのだが、全く知らない選手が先に話しかけてくる時は、試合は始まってないけど、
相手選手がその時点で上だよ!!
と挨拶や声かけの優位性??(挨拶をされた方は気後れ感が出るのだ)を説いているのだ。そしてそうやって先に話しかけてくる選手は
自信があるから声を掛けてくる
と心得た方が良いと思っている。これは空手の大会だけでの話ではない。ビジネスの世界でもそうだと思っているし、
自分に自信
がないと全く知らない人に先に声を掛ける
勇気
って持てないものだと思っている。だからハウルとレモンには大会会場で
「今日は、よろしく!!」
なんて言葉を先に見つけて話しかける様にいうのだが、
全く自信がない為
か行わない。この辺も残念なことだと思っている。挨拶だけでも違うのだが…。我が子には伝わらないもどかしさもある。
話戻して、その相手選手が話しかけてくれた後も、ハウル、レモン、妻に
「あの子から挨拶されたの??」
「なんて声を掛けて来たの??」
と尋ねると
「大会パンフレット等で良く見る名前なので強い子かと思ってます」
と声をかけられたというのだ…。
あ〜やばい、やばい!!
余り知らない道場であるが顎尻おやじの予感が外れたら良いのだが…。
この後、その予感が的中することになることをレモン、ハウル、妻も知る由もなかった…。
それでは、また…。つづく。
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