哲心杯の次の日、漢達はまた違う戦場にいた!リベンジなるか??
哲心杯の次の日、我々は高槻の小高い位置にある体育館にいた。そう連日の空手大会参加である。この
Grow spirits
と言う大会は
日本武道振興会のALL JAPAN CHAMPION CUPの最終選考会
も兼ていた。(正直なところ、知らんかったんやけど…。)
この大会には、同じ道場の兄弟も参加していた。そして二部に分かれておりハウルとレモンは午後からの試合だった。会場に昼前ぐらいに着いたら、駐車場がない。会場の駐車場が小さすぎて一般のコインパーキングに停めに行かなければならない状況。
仕方なく、妻とハウルとレモンを大会会場の前で降ろし、顎尻おやじ一人、駐車場難民。探せど探せどコインパーキングにあるのは、
満
の文字。どれだけ探したか分からないぐらいグルグルと回りまくった。おかけで一緒の道場の子でハウルと同級生のお子さんの試合が見れずに終わってしまった。後に聞くと3人は見えたようでワンマッチを制したとのことで、嬉しい知らせだった。
なんとか、車を停めることが出来た顎尻おやじは結構な距離を歩いて試合会場へ。着くと、既に試合の早いレモンのアップをハウルが務めていた。これは中々の兄貴ぶり。
ええ感じ
である。3人と合流すると妻が
「何人も同じ道場の親御さんから、レモンの前日の快挙を褒められてね。」
「レモンがご機嫌さんなの…。」
「アスリートカップの権利を道場で1番先に取得したので、皆さんに褒めていただいて…。」
と言う。その話を聞いていたレモンが
「アスリート・カップ」
とまるで外国人が発音するような悠長な英語???で、そう言った。本当に嬉しそう。それに、本日も何故か、
シード
である。少しお調子者のところがあるレモンは有頂天。ボクサーのチャンピオンにでもなったかのような感じでアップをしている。そして、妻が
「先ほど、ハウルの試合相手の○○君が家族一同で来られて、よろしく!って挨拶に来てくれたよ」
とのこと。ハウルは今日はワンマッチ。それも昨年初め多流派の大会にで始めた時に負けた相手。ハウルと一緒で体格が大きな、試合では必ずと言って良いほど一回戦は勝つ安定的な選手。その選手と親御さんが挨拶に来てくれたようなのだ。
実は、これまでの参加大会でも対戦はしなかったが、よく見かける選手であるが、先日とある大会でその選手のお父さんから直接ハウルに
「試合で見るけど、だいぶ動けるようになってきたなぁ!!」
とお褒めの言葉を頂いたらしい。しかしハウルはその言葉にご立腹。
「まるで俺が動けないハウルのようやないかぁー」
と怒っているのである。その選手のお父さんの言うとおりなのだが、本人は腹がたったようだ。
「上から目線で言われた!!」
と言うのだが、
「当然、一年ぐらい前とは言え、以前の戦いで自分の子供に負けている子を上から目線で見ても仕方がないやろう」
と言うも納得をしていなかったことがあった。そして本日も先制攻撃??のように向こう側から挨拶に来ていただいたことに、
これ以上の上から目線を辞めさせる。
リベンジする。
と心に決めているようであった。しかし、まずはレモンの試合。
相手選手は格上の選手。
少し話を変えて。以前はハウルもレモンも相手選手が自分の帯よりも格上であると、二人とも、
「相手は黒帯やから」
とか、
「相手はどこどこ道場の茶色帯やから」
などと言って気にしていた。そのコメントに顎尻おやじはいつも、
「黒帯も茶帯も関係ない。帯が戦うのではない。」
「お前ら自身が戦うのや!!」
とよく言って聞かせたが(聞く耳を持たない二人であるが…。)最近は、全くそんなことも気にしていないようだ。
話戻して、レモンの第一試合。格上の選手で一回戦を良い形で勝って来た選手らしく、コート(試合場)に入ってくる雰囲気も悪くない。そして試合が始まると、猛烈ダッシュでレモンに向かって接近する。その猛ダッシュにあがらうように、軽く
スットッピングのような上段前蹴り
をポン、ポン
と二発だした。相手選手の顔には当たらなかったが、
上手くいけばカウンターで技あり
を狙ったのか、それとも胸辺りに当たっていたので、突進を止めるための蹴りだったのか、この辺りは中々のセンスで相手の気を制しているかんがある。そして相手選手に対しての突きから下段蹴り。相手選手もしっかりとした突き蹴りを出してくる。
この選手だと簡単に勝つのは無理だなぁ…。
と顎尻おやじが心の中で思っていると、セコンドに付いていたハウルと妻が良きアドバイスを連発している。試合回数をこなしていると
セコンドのアドバイスまで上手くなってくる。
のだ。以前は、
「前でろ!!蹴れ、蹴れ!!」
など撮影している映像はフレームアウトするわ、ウルサイは、全く意味のないアドバイスだが最近は効果的なアドバイスが出来るようになってきた。ハウルも
「ナイス、ナイス」
とレモンを後押しする。
そしてレモンの上段蹴りに深く当たらずとも相手選手が怯む、下がる。そして連発で上段蹴りで押すレモン。そしてコート側まで追い込む。相手選手も上手く体を入れ替えコート外にでることを避けた。ただレモンの攻撃はそれでは終わらない。
突きからの下段、膝、そして上段
と言うコンビネーションで確実に押していく。休むことのない攻撃。
レモンはどちらかと言うと重量級に出場しているが、体重は軽い方で戦い方も軽量級の選手のような戦い方をする。間を開けることなく攻め続ける。普段の
サッカーやら水泳など
で持久力がアップしている為であろう。容赦無く攻め続ける。確実にレモンの勝ちパターン。相手も効いているのか、バテたのか、少し動きが止まる。そして試合終了。審判の判定を待つまでもなく、
レモンの勝利
であった。
中々の勝ち方であった。そしてレモンの次の対戦相手になる選手の試合を観戦。勝った選手は
突きも下段蹴りもレモンより相当強い選手
が勝ち上がった。心の中で
これは今のレモンの実力では難しい試合になるなぁ…。
と思った顎尻おやじであった。
そして、レモンの二試合目。
入場から緊張感が伝わる。レモンに対して、何も言わなかったが相手が強い選手であることは感じたはずである。試合開始早々。一試合目と同じく、相手の猛ダッシュを上段蹴りでストッピングのように止める。
上手い!!
と感じたのも束の間、相手選手の
強烈な突き
が
レモンの胸を抉る(えぐる)
抉る(えぐる)
その攻撃に押されまいと、試合前に顎尻おやじが授けた、下がらない為に重心を低くする方法も試している。それを見るに、
まだまだ冷静さは残っているなぁ…。
と感じていた。が、
やはり強い突き
が
レモンの胸に突き刺さる。
強いなぁ…。
と映像を撮りながら前のめりになる顎尻おやじ!!その相手を前に、なんとか下段蹴りで突破口を開こうとするレモンだが、やはり
突きでの撃ち合いで負ける…。
そして得意の上段を狙うも深く刺さらない。セコンドのハウルも妻も必死に応援する。最後の最後まで胸を抉る(えぐる)突きを耐えて、試合終了。判定は、
当然、レモンの負け…。
完全な力負け、完敗!!
であった。涙と痛々しい胸の傷と心の傷。久々に外見上、負けたなぁと感じさせられた感のある試合であった。ただ救いは、
ALL JAPAN CHAMPION CUPの権利
を得たことか…。ただレモンに嬉しさはない…。完敗と自分の力の無さを痛感しているようであった。
そして、その横で試合前のアップをする
ハウル
が居た。そして珍しく、
「俺、今日、なんか動けるような気がする…。」
「いける!!」
と言いながらアップを続けた。ワンマッチで、リベンジしなければならない相手。弟の敵討ではないが、サクッと勝てるのだろうか…。
それでは、また。長くなったので続きは、この次に。
つづく…。
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