世界と日本の“差”が生まれた理由を考える



日本の格闘技界に、いま大きな変化が起きています。
その正体は──ガラパゴス化。
ガラパゴス化とは「日本の産業や文化が独自の進化を遂げた結果、世界基準から離れてしまう現象」のこと。ガラケーの例が有名ですね。
そして私は、今の日本の格闘技もまさにこれと同じ状況にあると感じています。
■ K-1 WORLD MAX 2025が示した現実
2025年11月15日(土)に行われた
K-1 WORLD MAX 2025 70kg世界最強トーナメント決勝ラウンド。
この大会を制したのは、
ブラジル・サンパウロ出身、身長191cm・70kgの
ジョナス・サルシチャ選手でした。


彼は日本人選手よりもはるかに大柄で、
圧倒的なフィジカルと身体的優位性を武器にトーナメントを制覇。
K-1主催者の思惑とは逆に、知らない外国人選手が次々と勝ち上がる展開となりました。
■ RIZINでも同じ構図が見える
これはK-1に限りません。
RIZINのヘビー級でも、日本人はなかなか勝てず、
大柄な外国人選手が勝ち上がる図式が当たり前になっています。
RIZINにおいては、ヘビー級だけではないですけどね…。
■ 新極真会の全日本大会にも影響が
2025年10月18・19日に行われた
新極真会 全日本空手道選手権大会。
優勝したのはカザフスタン出身の
**キンザースキー選手(身長193cm・体重85kg)**でした。


決勝では渡邉一選手を相手に、
開始わずか42秒で上段膝蹴りを決め圧勝。
極真・新極真の歴史の中で、
外国人が全日本を制したのは“初”の快挙でした。
これは他の大きな空手団体でも起きている現象なのです。
■ なぜ日本人が勝てなくなったのか
✔ コロナ禍による「空白の3年」
外国人選手が来日できなかった数年間、
日本国内では日本人同士で争い続ける形に。
その結果──
「大柄な外国人にどう勝つか」という視点が欠落してしまった。
✔ 流派同士の内向的な争い
多流派の技術を認めず批判し合う“内輪の競争”。
世界基準の相手を想定せずに技術を磨く状態が続いた。
■ 最大の原因はSNSという“化け物”
SNSによって、
日本のトップ選手の技術は世界中に拡散されました。
かつては「日本が前にいて外国が追いかける」構造でしたが、
今は──
世界中の身体的に優位な選手が、日本の技術を学んでしまう時代
その結果、技術だけでは勝てなくなったのです。
■ 柔道・相撲・ボクシングにも同じ現象が
- 相撲:横綱は長らく外国人が中心
- 柔道:パリ五輪の団体戦でも、テディ・リネールの体の大きさや身体能力が勝敗を決定
- ボクシング:日本人ヘビー級が世界で勝つのは現実的に不可能



どの競技でも、
技術+フィジカルを持つ外国人選手が圧倒的に有利なのです。
■ フルコンタクト空手がこれから必要とするもの
日本国内で流派同士が争うのではなく──
● 技術を認め合い、切磋琢磨する
● 大柄な選手を育てる仕組みをつくる
● 常に“自分より大きな相手”を想定して技術を磨く
● 日本の技術がガラパゴス化しないようにする


これらがなければ、
外国人選手が全日本や世界大会を制し続ける未来は確実です。
■ 一格闘技ファンとしての願い
日本の技術は世界に誇れるもの。
だからこそ閉じずに、
世界と戦う視点を持ち続けてほしい。
そして再び、日本人選手が世界の舞台で輝く日を願っています。
そうしなければお家芸と言われる空手も外国人選手が上位を席巻するのも時間の問題かもしれない…
「小よく大を制す」この諺が過去のものとなららいように願う…。

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