これぐらいの根性なければ伏魔殿と呼ばれた我が家で生きては行けない。
あのね、吾輩が将軍様(妻)に勝てないのには訳がある…。人生どん底の中で救ってもらったからでも、シングルファーザーでタクボンと踠(もが)いていた時に結婚してくれたからでもない…。やはりそれなりに理由があるのよ…。(…の時は、私の気持ちを察して読んでくださいなぁ…。)
当時は良く言われましてね、顎尻家に嫁ぐ嫁は(今時、こんな言い方せんがね…。)
マザーテレサのような、慈悲深く私利私欲をすてた女性か、鉄の女と呼ばれたサッチャーのような強い女性か、よっぽどのア○な女かやなぁ…。
と言われてたくらいでして、ましてや、タクボンは体が不自由で、顎尻おやじは大した稼ぎもないし、家に財産もない。それに吾輩の妹は居るは、タクボンからすれば曾爺ちゃんと曾婆ちゃんも居る上、同居。あるのは、小さな家ぐらいであるが、それもローン…。
こんなナイナイづくしの家に、そして一般的に見て鬱陶しい者が多くいる家に(表現が悪く申し訳ございません、家族の皆様)誰が嫁に来るのか??
まさしく伏魔殿である
仮想の話として、吾輩の妹モーモーがもし?顎尻家のような家に嫁ぐと話をしてきたら、その結婚に吾輩自体反対するであろう状況の家に
将軍様
は来られたのだ…。
多分、親戚一同や顎尻おやじの親友も、いや、ひょっとすれば将軍様の家族や親族、友人や会社の人まで
ア○な女や
と思ったことであろう。顎尻おやじ本人も少し疑っていたところもあるのが正直なところ…。将軍様は顎尻おやじに言わないが、知らないところで相当な反対も受けただろうし、逆流をものともせずに踏ん張ってくれたのだろう…。だからと言う訳ではないが、
頭が上がらない
って言うのは正直あるし、
将軍様の両親にも感謝している…。顎尻おやじを信じてくれた事を…。
ただしかしである…。それだけではないのが
将軍様の奥ゆかしい
ところである。果たして将軍様は、
慈悲深きマザーテレサなのか、それとも鉄の女サッチャーなのか、それともア○な女
なのか分かりかねていた。結婚当初はね…。吾輩も一緒に住んでいた家族一同も…。
でもね、どれだけ奥ゆかしい方でも一緒に住んでいたら姿が見えてくるのよ、本性がね。その度ごとに顎尻おやじは脅かされてきたのよ。当初は
伏魔殿に嫁いできたヘンテコなモンスター
ぐらいだったんですが、今では
伏魔殿を牛耳る、将軍様もしくはデビルマン
って感じで、すっかりこの伏魔殿の家の主に君臨されている…。誰も逆らえない。
私が法律!!私が最高!!
と言い放つ将軍様は偉大である。
半世紀以上も生きてきて、吾輩が、そこまでひれ伏すには、それなりのことがあったからだ…。伏魔殿で将軍様の位置まで登り着いたのには、それなりの理由があるのである。つくづく、
この女には勝てん…。
と実感させられてきたからだ。今日は前振りが長すぎたが、その一例を、ほんのちょっとの一例をお話しさせていただく。
それは、かれこれ数年前に将軍様と顎尻おやじ、それに三人の子供、タクボン、ハウル、レモンと五人で奈良の天川村に車でキャンプに行った帰りのこと。そのキャンプ場は大変風光明媚で自然豊かなところであるが、行き来の道中が山道で、それなりにクネクネとしている。その道を車で帰っていたところ、タクボンが
車酔い
したのだ。タクボンが
「気持ち悪い…。」
と言い出したが、車を避けるところもなく、そのまま走行して山を降らなければならない状況で、車酔いしたタクボンが
ゲー
と、えずく様な仕草を見せ出した。
ワンボックスの車で真ん中の席に座っていたタクボンに助手席の将軍様が振り返り、すぐさま、持っていたスーバーのビニール袋を差し出す。そして、タクボンに
「気持ち悪かったら、この袋に吐いても良いよ…。」
と言い、ハウルとレモンにタクボンの背中を摩る様に指示したのだ…。
なんて優しい天使の様な将軍様
しかし、我々は幻想を見させられていたのである。
その後、タクボンは躊躇することなく、その差し出されたスーパーのビニール袋に汚物を吐ききり、汚物の匂いが車内を埋め尽くす状況であった。自然と車内に居たものは窓をそっと開け放し、良き空気を取り入れて走行を続けていた。
そして下山し、真っ直ぐな道を走り出したとたん将軍様はある行動に出られたのである。
将軍様は助手席で座り、左手にはタクボンが履いた大量のゲロ(汚物)が入ったスーパーのビニール袋を持ち(袋を下には置けない状況だった)右手で自らの鞄を取り出して
何か探し始めた
のだ。
運転しながら、将軍様が何を探しているのか??全く分からなかったが、すぐに将軍様の行動、奇行に驚かされた。将軍様が
「あった」
と言って喜んでいるのを耳で聞いた顎尻おやじが少し経ってから横目で助手席の将軍様を見ると、事もあろうに
ゲロを左手に袋に入れて持ち、右手でキャンプで残ったパン
を持った、まさしく阿修羅のような様相でその
パンをモグモグ
と食されていたのである。
窓を全開にしているとはいえ、まだゲロの匂いが(下品な表現で申し訳ありません…。)車内に充満している中で、左手に袋とはいえ、出来立てホヤホヤのゲロを持ち、右手でパンをむしゃぶる様に食べなさるお姿は、阿修羅を超えてそう、
まさしくデビルマン!!
だーれも知らない、知られちゃいけない…。デビルマンは誰なのかぁ…である。(こんな歌も、デビルマンも知らんかなぁ…。)
そして、その形相に驚いた顎尻おやじは将軍様を運転しながらも(安全に十分配意して)
二度見
してしまったのだ。
そうすると何を思ったのか慈悲深い将軍様は、顎尻おやじに向かってカバンから別のパンを取り出し、
フン
と言って、なんとなんと、そのパンを顎尻おやじに差し出したのである。
吾輩は、パンが欲しいのではない…。
将軍様の形相にビビって二度見したのだ…。
俺は、喰えん…。
と心の中で呟いたが、慈悲深いデビルマンはまた、
フン
と言って、そのパンを差し出すのである。
🙏ゴメン、ごめん。
俺には無理や!腹減ってても、自分の子供であっても、
あんたの様に、ゲロの匂いとゲロ持ったまま
パンは喰えん…。
どれだけ最高級のパンでも喰えん…。
そして、俺は一生
お前には勝てん…。
そうつくづく思わされた瞬間であった…。
将軍様は、慈悲深く、強く、そして少しア○な女性である。
これが顎尻おやじが将軍様に勝てない、ほんのほんの一例である…。皆さんは、こんな女性に勝てるでしょうか…??
それでは、また。つづく…。
追伸。
こんな記事勝手に書きやがって!!と将軍様から怒られる恐怖に打ち勝ち書いたブログですので熟読よろしくお願いいたします。押忍!!
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