リアルチャンピオンシップ奈良大会!!参戦!!②

空手

親の心、子知らずとはこのこと。やっと親の気持ちが分かったか!!レモン!!

 それでは皆さん。ハウルの

 ワンマッチ

前から…。

 ちょうどハウルと翔太郎君のコート試合場)が横と横。それに試合も重なる予感!!ハウルと翔太郎君が二人して試合場で待機する形になった。

 やばいなぁ…。重なるなぁ…。

と思っていたら、ハウルの試合場でトラブル発生により試合が遅延している。

 そこで、翔太郎君の試合が始まった。レモンは初めから翔太郎君の応援で我々の居る位置の反対側から応援。セコンドに付く予定の妻とハウルは横の待機場から観戦。顎尻おやじ一人、人混みの上から背伸びをして観戦。

 どうやら、翔太郎君は一回戦で足を負傷したようで、まだそのダメージが残っていると聞いていた。相手選手は

 有名な道場の選手

強敵か??試合を上から覗き込む形で見ている顎尻おやじには下段などは見えない。頭の動きと肩の動き位見える感じ。周りからは檄が飛んでいる。我々が居る位置から反対側にいる

 レモンの檄

がよく聞こえてくる。

 「翔太郎!!下段、下段!!」

とね。ハウルも声まで張り上げはしないが応援している様だ。阿倍野君一家も見える。白竹さん親子も見える。皆んな大きな声で

 翔太郎君

を応援している様だ。

 俺も、近くで応援したい…。

そんな気持ちもあったが、いつハウルの試合が始まるかもしれないので、気も抜けない。そんな事を思っていると翔太郎君の試合

 再延長戦

まで縺れ込み試合場の周りが沸きだっている…。まさに

  死闘

である。そして二人ともヘトヘトになりながらも、判定!!

  翔太郎君の勝利

であった。その時、どこからか

 「やったー」

と声が聞こえた。その模様を待機場で観戦していたハウルは安心したかのような表情を見せ、そして一人、

 「イケル!!」

と言って静かに待機場に座り込み自らの試合を待った。

 妻もセコンドの為、ハウルの横に。そして全力で翔太郎君を応援していたレモンもいち早く駆けつけハウルの側に居た。

 

 そして翔太郎君は何試合か後に決勝戦へ。

 顎尻おやじもジッとハウルの試合を待った。後ろには翔太郎君の試合が終わって間がないのに翔太郎君のお母さんが駆けつけてくれていた。

 そして、戦艦ヤマトことハウル出撃!!

である。セコンドには妻とレモン!!そして映像係は私、顎尻おやじがいつも通りに…。

 ハウルがいつもより緩やかに前に出てファーストコンタクト

を迎えた。上背のある相手選手の

 前蹴り

から始まった。ファーストコンタクトを相手に取られるのはハウルの悪いところである。そしてその前蹴りを全く気にすることもなく、緩やかに前に進み、いつもより少し遠い間合いから、

 ワンツー、ロー

を放つハウル。そして続けざま、

 左の胸パン(胸に対するパンチ)

を放つ。連続して放つハウル。相手の攻撃は全く気にしない。気にも止めずに進んで

 左の胸パン。

上背のある相手選手の体が

 立つ

と言うよりハウルの左の胸パンが強すぎて

 大きく仰け反る(のけぞる)

ような形になった時、渾身

 右ストレート

からの下突きの連打。そしてそれに合わせる様に下段が戦艦ヤマトから放たれる。ゆったりと海上に浮かぶ戦艦ヤマトのように雄大かつブレがない。そんな体から放たれる

 下段蹴り 

が相手選手の足と

 戦う心

を打ち砕く様に放たれる。そして下段蹴りを嫌がる様に相手選手が

 足を上げて下段を避けようとした

その時、満を持しての

 膝蹴り

が相手選手の体中央に打ち刺さる。セコンドについて大声で応援しているレモン

 「効いてる、効いてる!!」

 「膝、膝!!」

と一際デカイ声で檄を飛ばす。(最近声がよく出る様になってきた。流石、顎尻おやじの子である。)

  膝の連打が相手のボディーを抉る(えぐる)

そして、相手選手が場外に出されたと同時に、

 膝蹴りで技あり

を副審が旗を横に、そして主審が技ありを告げた。その際、開始線のところに戻るハウルは小躍りして戻るような感じ。それ以上に、

 早く戦わせてくれ!!

と言わんばかりに前のめりである。そして試合再開。相手選手は既に動きが鈍い。膝蹴りが効いている様だ。そこにハウルの

 突きからの膝が連打で刺さった

時に、副審の旗が横になり、ハウルが開始線に戻らされる際、喜びを隠しきれない様に

 小躍りしながら線に付き

主審が技ありを告げ更に、

 合わせ一本

を告げ試合の幕が降りた。これが人生初のハウルの

 一本勝ち

である。

 効かせて倒す組手

を目指して、初めての快挙である。

そして、すぐに主審より

 大きなトロフィー

を授与され、喜び勇んで退場した先に、白竹君のお父さんがハウルを出迎えてくれ、ハウルと

 ハイタッチ

をする喜びよう。ハウルのそんな姿は見たことがない。まあ、「一本勝ち」自体初めてなのだから仕方がないのかもしれないし、空手の試合には相応しくない仰る方もおられるかもしれない。でもハウルは

 嬉しかった

のだ。純粋に…。ただそれだけなのだ…。そして相手選手のところに挨拶をしに行き、改めて我々のところに戻ってきた。そして

 「やったぞ、初めての一本勝ち」

と胸を張って顎尻おやじに報告した。本当に嬉しそうだし、

 これが自信に繋がれば良いいのだが…。

と少し微笑みながら心の中で呟いた。それと同時に

 相手選手が負傷してないか

本当に心配になってしまった。(ハウルが伸び伸び試合をした時爆発力は計りしれないので…。)

そして、次は

 翔太郎君の決勝戦

へ。会場も終わりに近く、他のコート(試合場)は店じまいを始めている。そんな中、

 翔太郎君の試合が始まった。相手は格上の選手。試合開始早々、翔太郎君に的を絞らせないために動きまくる相手選手。そして、その動きを全く止めないのだ。それに負けじと翔太郎君は試合終始必死に下段を繰り出す。相手選手は翔太郎君の死角となる位置から必死に的確な攻撃を出す。翔太郎君の攻撃も良いのだが、相手選手の動きが速いのと、その動きが止まらないことから次第に

 翔太郎君の攻撃が空振りする場面が増え

だしたのだ。翔太郎君のご両親やお兄さんだけでなく、翔太郎君のライバルである、 

 阿倍野君一家

 白竹さん一家

も必死になった応援している。そしてハウルレモン大声で応援。顎尻おやじも負けじと檄を飛ばす。そして、試合終了。判定は

 相手選手の優勢勝ち

を示した。翔太郎君のお母さんは、

 唖然

としていたが、

 「悔しい…。」

と漏らした。心の声であった。翔太郎君に皆が駆け寄るなか、翔太郎君に

 「今回の大会の準優勝は、前回大会の優勝より素晴らしいよ。」

 「何度も延長戦となった試合が多い中、逆転勝利含め粘って勝てたのが大きいね。」

 「また、一緒に頑張ろう…。」

と言った。周りに居た即席応援団は皆それぞれが翔太郎君に声をかけ郎を労った。

 そして、最後の最後に

   優勝したハウル

  準優勝の翔太郎君

が一緒にならんで写真を撮ろうとしたその時、翔太郎君のお母さんが

 「やっぱり優勝して写真を撮りたかった。」

 「悔しすぎる…。」

と皆の前で呟いた。その声を聞いた顎尻おやじは、

 なんか分かる気がするなぁ…。

と思ったが、その悔しさ以上に翔太郎君が負傷しながらも残りの試合を善戦したのが素晴らしかったので、

 「また、チャンスがあるから、頑張って練習しましょう…」

お母さんに声をかけた。

 本当に素晴らしい試合だった。ハウルの気持ちにまで影響を与えた

 翔太郎君のガッツ

に感謝もしたい…。

   一緒にまた練習しよう…。

と心の中で呟いた。そして会場を後にする際、ハウルが

 「何かとても充実した1日だった…。」

と嬉しそうに言った。それに対照的レモン

 「あー疲れた!!」

 「声出しすぎた…。」

と言った瞬間、顎尻おやじがレモン

 「お前、いつも試合もしない俺らが(妻と私)疲れるのはおかしい!!

 「俺らは試合して疲れてるけど、応援してるだけのオヤジがしんどいって??」

 「それは嘘や!!」

と毎回空手大会に言った帰りに親にぶつけるので、これ見逃しに言ってやった。

 「お前は会場の誰よりも大きな声応援していた、それは素晴らしい!!

 「でも、これで分かったやろう…。身内を必死に応援する気持ち

 「そして実際に試合をしなくても、セコンドなどで戦っていることを…。」

 「いまレモン感じている疲れが、いつもお父さん等が持って帰る疲れや!!

と言うとレモンは自分が漏らした言葉を口に戻したい様な顔で

 苦笑い

を見せた。試合に出れなかったけどレモンにも貴重な体験となった様だ。

 めでたし、めでたし。

次の週は、

 武道振興会のチャンピオンカップ

がある。少し空手の大会参戦記が続くがお許しいただきたい…。

それでは、また…。つづく。

追伸、

 翔太郎君のお母さんは応援の後遺症から約1週間声が

  歌手の、もんたよしのりダンシングオールナイトのさんの様な

ハスキーボイス

になったのは言うまでもない。

 

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