なんやよう分からんタイトルだが…激震！近江に響き渡る負け犬魂
それでは最終章を…。
ねぇチューしよ！！のレモン！！（いやいや、熱中症のレモン。）やばいと思っていたら
お昼休憩
が入った。天の助け、命拾いした…と正直思った。
妻はレモンを連れて会場外に出て涼しい風を体に当てさせ氷などで冷やした。後で考えると朝一から計量があったので何も食べてなかったので計量後食べたのだが、
水分
を取るのを忘れていた…。
それが影響したのかも知れない…。ハウルは下痢の為、自ら脱水症状にならない為に
2リットル程の水
を飲んでいたがレモンはほとんど飲んでいなかった。ハウルの
下痢ら豪雨（誤字ではない。下痢）
を気にする余りレモンの水分まで気が回っていなかったのだ…。親としてセコンドとして
不 覚
だ。
しかし悔やんでも仕方がない。昼休憩一杯、体を冷やしたレモンだが、
顔色が良くない
のだ。おそるおそる待機場に座るレモン。心配そうに見守る妻。そしてハウル。
下痢と熱中症
どっちが、しんどいんやろう？なんて考えながらもレモンの試合になった。
いつもよりゆっくりと開始線につくレモン。
相手は格上の黒帯の選手。
猛ダッシュで体格差を埋めようと間合いを詰めてくる。
それに気後れしたのか下がるレモン。
やばいなぁ…。
あくまでも親の感だ…。レモンの腰が浮いている。相手の早いスピードに負けまいとして
浮いてしまっていた…。
そんな中、相手の
裏回し蹴り
がレモンの顔をかすめる。なんとかギリギリのところで交わし戦うレモン。ただ下段蹴りなどが少ない。体調が悪いからか勝負を焦っている様な感じがした。そして相手選手がまた猛ダッシュで入ってくる瞬間、
レモンの上段
が相手選手の顎付近に直撃する。相手選手の顎が上がっている様に見えたので、
技あり
かと思ったのは顎尻おやじだけだったみたいで主審もとらず、そのまま試合が流れた。
そしてお互い動きが早く、いつものレモンのパターンにならないまま相手選手の
裏回し蹴り
が先ほどより深くレモンの顔を襲った！！副審が技ありをとるも主審は
技ありを認めず！！
命拾いした。
そして動きの速い相手に自分の得意技を全く放つことができないレモンが
１分３０秒
の舞を終えた。判定は当然、
相手選手に勝利を告げた。
泣き崩れるレモン。退場してきて直ぐにレモンが
「判定待ち中、吐きそうになった…。」
と言う。
しかし泣いている間はない。すぐさま妻にレモンを預けて、ハウルの試合メインコートにハウルと向かった。当然ハウルは動きも悪いので、ゆっくりと向かったのだが、そこには
パーカーを目深に被った黒豹君
が身を潜める様に集中していた。
さすがに
JKJO全日本チャンピオン
ともなると消そうと思っても消せない
強気オーラ
があるものだ。
そして待機場で疲れ果てて黙って座るハウル。なんとか心と体の折り合いをつけてセコンドに駆けつけたレモンに妻。一体どんな試合になるのだろうか…。
今までのハウルなら１回戦は
いい動き
してても２回戦は全く…。と言うのがこれまでのハウル。しかし最近は
チャンピオンクラスの相手と戦っても、
それなりに見てれる試合をしてくれている…。
だが今日の相手は本物！！
試合年数を重ねなければ勝利することはできない
JKJOの頂
そんな相手に
下痢ら豪雨のハウルが…。
ベストの時に戦わせてやりたかった…。
幸いなことに試合が始まってからは緊張からかトイレには行ってない…。
なんとか試合は出来るのか…。
そんな事を思っていると、
神様からラインが…。
お父さん、甘やかしてはダメです。
体調管理も含めて試合、戦です…。
強い漢はどんなにしんどくても、しっかりと立っている。
判定を待つ時、しっかりと十字切って、しっかりと立て。
と天から降ってきた…。
そんな中、ハウルの試合が始まった。セコンドは三人で。ここで顎尻おやじ、妻、レモンがとんでもないものを見ることになる。
なんとJKJO全日本チャンピオン相手に
ハウルが前に出て蹴りを相手にブチかます
と言うファーストコンタクトから始まったのだ。
今まで必ずと言っていいほど後手を踏んでいたハウルが前に…。
その勢いを感じたのか
JKJO全日本チャンプ
が下がる。
そして
超重量級
の
ガチンコ
の殴り合いを繰り広げる。
突きの撃ち合いだと黒豹君に分があるか…。
そしてそれに付き合う様に
突き
で抵抗しようとするハウル。セコンドにつくレモンの
「下段、下段！！」
と言う指示も当然届かない。
届かないと言うよりは
打ち合いに集中
している感じだ。
それでもやはり打ち合いでは負ける。それに下段などを混ぜて攻めていくも押されるハウル。そして初めに押していたハウルがこちらのセコンドまで押しやられる。
その瞬間、
ハウルのダブルの上段
が放たれるも…。一発目の上段に黒豹も反応できず後手の守りになったのだが、一歩届かず当たりが浅い。二発目はしっかりと受けられた…。
惜しい…。
悪くない攻め
珍しく交戦的だ…。
そしてまた突きの打ち合いになりハウルが５連打で突きを黒豹君に入れるも、その分以上に返されるハウル。そして場外へ。
やはり太刀打ちできないかぁ…。
そう思っていたセコンド三人。
しかし、開始線から再開された試合は
ハウルの動く城
から先制攻撃、その後、突きを繰り出しての
前進、前進
とあっという間に
チャンプ、黒豹君
を場外へ。
まだイケる！！
そう思った瞬間、また
前進、前進
を繰り返すハウル。
突きから突破口を開こうと
前に、前に
行っているその時、
黒い弾丸
伝家の宝刀
胴回し回転蹴り
黒豹君から放たれた。それをスウェーで交わすハウル。そしてタイムアップ。
最後の最後で上手さを更に引き出したチャンプ。最後あのまま場外に出されたらイメージが悪くなるのを
捨て技である、胴回し回転蹴り
で交わすとは…。間違いなく
試合巧者
である。
そして判定。
五審判ともに黒豹君に旗を挙げる。
チャンプに完敗
黒豹君に完敗
ハウルの完敗
そして
ハウルに乾杯！！（誤字ではない…）
だ。何故なら…。
顎尻家の私が撮影した試合映像の最後の最後に音声として、
「いやぁ、イケるわ！！」
と顎尻おやじの心の叫びが残っている。
力無く場外に出るハウル…。
「ようやった、ようやった」
と妻が声をかける。そんな中、顎尻おやじも声を掛けようとしたところ、ハウルの口から
「悔しい…。」
と微かな声で言った。絞り出す様な声だった…。
今までハウルは試合に負けると
「相手の突きが強かった」
「相手の体格が…」
「相手は上の学年やから…」
など言い訳ばかりだったが、相手がどうのこうのと言うより自分のこととして
試合を悔しがったのだ…。
力が及ばなかったことを…。
そして顎尻おやじは、ハウルの肩を叩きながら
「今日の二試合は、お前が空手の大会で見せたベストバウトや！！」
「負けたことも含めて、今日のことを忘れたらあかん…。」
「体調が悪い中でやれたんや…。」
「今日の負けを自信と力にせよ…。」
と告げた。
ハウルは力無く（決して力強くではないところが、ハウルの良いとこ？？）
うん、うん、うん
と頷くだけだった。ひょっとすれば、この
びわこ魂杯での試合
がハウルのターニングポイントになるかもしれない…。
岐路に立つ、ハウル…
中学生では勝てないレモン…
どちらももがいている…。
親としてセコンドとして、マネージャーとしてまだ暫く一緒に戦う…。
それでは、また…。つづく
追伸、神様から最後のラインが…
負け犬よ、早よ帰って、練習しろ！！
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