九州からの侵略者?と言うよりは九州からの純粋無垢な漢達の戦い
ハウルとレモンの試合が終わり、権利関係もひと段落したころに、アップ練習をしている漢達がいた。
九州から来た
チハルさんの息子さん
セイイチロウ君、そして、その友達のセイジロウ君
の二人である。二部の試合早々に彼らの試合が待っていた。正直、二人のアップのお手伝いでも…と思ってはいたが、それも叶わず。試合場の側で、その時を待った。試合場で彼らの姿を待つ…。
チハルさん
も心なしか不安そうに見えた。やはりハウルやレモンを応援していた時とは違う…。それは当然だ。九州から空手の試合のためだけに来阪して来たのだ。セイイチロウ君の友人の
セイジロウ君
も朝一、空手の先生と始発の新幹線で来阪。そんな事を聞いたら応援せずには要られない。そんな気持ちを持ちながら試合場で待機する二人。まずは
セイジロウ君
だ。セコンドには、先生とチハルさんが付くようだ。セイジロウ君の試合が始まると
こちらにまで緊張が伝わってくる
くらい緊張しているようであった。そんな動きの中、残念ながら終始押される展開で終了した。判定は相手に旗が全てあがった…。顎尻おやじは、全力で大声で応援したかったが…。
顎尻おやじのバカ声
が
九州の純粋無垢な漢
に受け入れられるか分からんし、余計に緊張させたらアカンのでジッと
熱視線
を送っていた。そして、
セイイチロウ君
の出番である。しかし、ここでファプニングが…。本来セイジロウ君の試合の後にもう一試合挟んでセイイチロウ君の試合であったが、選手が棄権(インフルエンザやらコロナやらが流行っていたのでね。)した為、すぐに
セイイチロウ君
の試合が始まった。しかしセイジロウ君の試合の反省会をしていたセコンドの先生とチハルさんは試合が早まったことに気づかなかった。そして私も携帯などをセットしたりしていて、危うく見逃すところであったが、なんとか気付き応援する体制に。しかし、セコンドには先生は居るもお母さんである、
チハルさん
の姿が見えない。しかし試合が始まってしまった。顎尻おやじも声を掛けようと反対側にいたチハルさんに近寄ろうとした瞬間、チハルさんが気づいてセコンドに大慌てで戻って来た。そして大きな声で応援を始めたかみたか、その瞬間、セイイチロウ君の顔に
上段蹴り
が当たった。ダメージもない、本当に軽く当たった程度。しかしその瞬間、副審の旗が上がり主審も
技あり
を示した。正直なところ、
浅いだろう…。
あれで、技ありか…。
と心の中で呟いてしまった。ハウルも
浅い!!
と呟いていた。それ程、軽く見えたが試合は続行され相手ペースで試合は終了!!審判は相手選手の勝利を示していた。
試合終了。心なしか悲しそうなチハルさん。そしてセイイチロウ君とセイジロウ君。額にうっすらと汗を滲ませながら…。そんなところにポッと出の顎尻おやじが掛ける言葉もない。しかし、勇気をだして近寄ってみた。
「浅かったのになぁ…。」
それ以外に二言三言声を掛けたが余り覚えていない。顎尻おやじの心の中に喪失感のようなものが制圧していた。
九州から来たのに…。
勝っていい思い出を胸に帰って貰いたかった…。
顎尻家もハウルがJKJOの全日本に出場するので東京まで行ったが一回戦負け…。
だから悔しさが分かる…。
と言う感情が心を支配していたのである。だから、気の利いた声も掛けれなかった。正直なところ気の利いた言葉なんて必要なかったかもしれないが…。
それでも、諦めずに空手を続けてほしい。
大阪まで遠征してほしい…。
と切に願う顎尻おやじであった。
そして、チハルさんの
ありがとう…。
が耳に残った…。
ありがとうは…。
こちらも…。
負けた親同士、そこには何かあったような気がする…。言葉にはできない何かが…。
そして、我々はフルコンタクト空手会では有名な、
古コンさん
にお願いして、記念撮影をしてもらい岸和田を後にした。顎尻おやじにとってはハウルの活躍で去年の
アディダスカップの権利を得た正道会館だんじりバトル。
そして、レモンが今回
準優勝
で得た
JACの権利
と縁のある会場となったが、何故かほろ苦いものが残った…。
そして、帰りに反省会は
ラーメン屋、一蘭
ここの絶品ラーメンを啜って試合映像をみながら反省した。
今度こそ、勝ちたいなぁ…。
勝たせてやりたいなぁ…。親として…。
チハルさん親子、また来てくれるかなぁ…。
そして会えるかなぁ…。
って気持ちを抱きながら…。
それでは、また…。つづく。
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