将棋の天才、藤井聡太に負けないくらいの少年!!

子供の頃

顎尻おやじが幼少期にはまった将棋について。

 

 縁台将棋がね、私の子供の頃には街中でちらほら見ることができる時代でね、私も育ての親である爺ちゃんに五歳の時に将棋を教えてもらった。

 今みたいに沢山のゲーム等がないからよけいかもしれませんが、はじめは本当に嬉しくて、楽しくて将棋がしたくて、したくて仕方がなかった。子供でもできる子が多かったこともあるが大人も皆よく指していたので将棋の相手には困らなかった。

 そうなると、やはり実力が付いてくるもので小学校の低学年で素人同士の中では大人とやっても勝ったり負けたりといい勝負をするまでになった。顎尻おやじは意地が悪いのか大人に勝つことが嬉しくて、嬉しくて。私に負け悔しがる大人を見ては、ニコニコしていた。

 なんせね、育ての親の婆ちゃんが病気がちの人やったから結構入院なんかもしててね。その御見舞いに病院に行っては待合室においてある将棋を持ち出し、そこにいる患者やお見舞いにきている男の人に自分から

 「おっちゃん、将棋できる?オレとやれへん?!」

って誰かしらに声を掛けてた。昔のことやから当然そんなキッカケで将棋をやるのも全然不思議ではなく、全く知らない人にお相手してもらった。今、考えると負けてもらっていたのかもしれないが、

 「僕、ほんまに将棋つよいなぁ…」

 (やはり褒めることは子供の栄養素である。いや子供だけではない

って言われることに快感を覚えていた。そして僕(子供の頃を想い出して)と知らない大人が将棋をしてるのを周りの大人が見てくれるのも嬉しかった。

 

 常に手には詰将棋の本。いつでも誰とでも将棋ができるように、携帯用の将棋盤(ゴム製の折り畳めるヤツ。)と将棋の駒を持っていた。そして日曜日はNHKの将棋番組をかかさず見る、そんな変な子供やった。憧れてた人は当然

 

  羽生善治さん(現在は日本将棋連盟会長)

 

 そして良きライバルも居た。成長するには、やっぱりライバルも必要。そんなライバルと言える友達も居た。今でも覚えている。同じ小学校の

  〇〇 クニハル君

大きなお家に住んでる賢い子って感じの子供で、当時の私と同じ小柄で細身の子。そのクニハル君が将棋がやはり強くてね、良く戦ったかな。何度も、何度も日が暮れるまでお互いの家を行き来しながら将棋を指したね。

 ええ想い出。

 でもね、そんなええ環境も長くは続かんのよね。顎尻おやじは小学5年生の時に遠方に引っ越しをするの。それで大好きなライバル、クニハル君とも別れ別れ。引っ越しで1番嫌だったのだクニハル君と会えないこと、将棋を指せないこと

 ほんま嫌やったなぁ…。

 その頃にはね、たぶん小学校の中で僕とクニハル君が1番将棋が強かったの。多分

 「棋士になりたいなぁ」

って話もしたような、してないような…。

 引っ越してからもね、将棋をやるのは変わらなくてね、新しい学校でも将棋、将棋。そしてね嬉しいことに、その小学校には将棋クラブがあったの。週に一回程度のささやかなお遊び。それに僕も入ってね将棋を指してた。当時、女の先生と男の年配の先生が将棋クラブの顧問?やってね、将棋を教えてくれてたんやけど、僕には、何か物足りなくてね。

 クラブのある日、その女の先生と将棋を指すことになってね、ちょっと詰まらんないクラブって思っていた僕がニヤリとした。そして指し始めるとね、多分数分で勝ってしまったの、女の先生に。そしたらね、その女の先生(すんません、名前完全に忘れてますわ)がもう一人の顧問?の男の先生に 

 「この子、本当に将棋強いですよ?!」

って言いに行ったんですよね。そしたら、その男の先生がどれどれって感じで立ちながら僕と将棋を指すことになった。

 「もし将棋クラブの顧問の先生に勝ったら…。」

 「そら、オレが先生や!!」

って様思ったね。自惚れやったからね。

 そしてその男の先生と指し初めてね、序盤から中盤に差し掛かったところで、周りには、さっきの女の先生やら子供たちが集まって来ていてね。立って僕と将棋をさしてた男の先生が急に椅子に座り出したの。面白いよね。

 完全に上から目線でやってた男の先生が、目の色が変わった

 「これから、本気やなぁ」

って子供ながらに思ったね。そんな場面たくさん見て来たからね

 そしてクラブの時間一杯一杯使ってね、将棋が終わったの…。

 

 座ってた男の先生が上を見上げた。

 天を仰ぎ見るってのを初めて見たかな。

 

    勝ってん、僕。将棋クラブの先生に。

    今日から、オレが先生!!

    (なんでやねん??でも思ったんやから、しゃあない

って感じ。

でね、そこからが顎尻おやじの悪いところよね。

 あまり今までたいに将棋の努力をしなくなったの。本当は例えば街には将棋道場なんかがあってね、強い人も沢山いるわけなんやけどね、まあ小学校の高学年くらいでは、もっと広い世界にもっと強い人が居るってことに気づけなかったのか、見なかったのか…。

 天狗になってしまって。そこで努力をやめて…。それ以上強くならなかった。

 中学校でも1番強かったが、今まで努力して得た知識と経験だけで勝ってただけで、小学校高学年以降は中学になっても随分と弱くなっていた。

 人間って、自惚れたり、てっぺん奪った気でおったらアカンよね。

 完全にダメパターン。

         「井の中の蛙、大海を知らず。

 あんな小さな81マスの将棋盤の中に宇宙が潜んでいることも知らずにね…。

 将棋って奥が深いよ…。

 子供さんにも将棋させてみてね。

 いいよ。素晴らしいゲームだよ。

              つづく…。

 

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