敬愛する先輩のお墓の話。

過去の良き思い出

お墓が俺を導くはず…。。

私、顎尻おやじには忘れることのできない、仕事場の先輩が居る。残念ながらコロナ禍で大変な時にお亡くなりになられた。

     心痛の極み

だった。いつでも会えると思っていただけに、会える距離に居たのに

     会いに行かなかった

そしてそれを後悔した。

 若い頃、ちょうどタクボンが産まれてね、

      二人で生きていかないといけなくなった

頃、その先輩に助けられた。

      人間ってピンチの時に助けてくれるのが、ほんまの優しさ

って心底思わされたね。この時。

 

 それこそ、みんながね、

     もう顎尻おやじは終わりや…。

って陰口叩いていた時に、涙涙で明け暮れている時に

 そっと助けてくれた。

 当時、顎尻おやじはトライアスロンもして、

   体内脂肪は一桁

やって自慢してた頃。その体から更に

 激痩せ

した。だって、タクボンと二人どうして良いか分からん頃やったから。仕事に行っても

   辛いだけ

で食事も喉を通らず

       本当にあのまま行ってたら…。

今の私は無かったね。簡単には言えないことやけど、

       この世に生きてたかな??

そう思えるね。あの当時を想い出すとね。

 

 そんな時に、先輩は仕事場に顎尻おやじの為に 

  手作り弁当と顎尻おやじ大好物のスイカ

を持ってきてくれるのである。

 

 先輩には、奥さんや子供さんも居てね、息子二人に娘一人。ちょうど子供さんが顎尻おやじと同世代。今だに子供さん達とお付き合いがあるエエ関係。先輩が亡くなっても、そんな関係が続いている。

 そんな先輩の奥さんや、娘さんが

   顎尻おやじの不幸な話???

を聞いて同情して弁当を作ってくれたんだと思う。それを毎日職場に持ってきてくれた。

 顎尻おやじにね、

 「しっかりと飯ぐらい食わんと、子供、男で一つで育てられへんで…。」

             「負けたらアカン…。」

 「この弁当残したら、承知せんよ!!」

って言いながら、奥さんや娘さんが作った弁当を差し出してくれた。今、思っても泣けてくる。これをパソコンでパチパチしてるだけでも、

     泣けてくる…。

ほんま。

      その想いの詰まった弁当で、なんとか生きながらえたなぁ…。

それなのに死に際を見届けることも出来ないなんて…。コロナは色々なものを奪って行きよるなぁ…。

 その先輩のお墓の話。

今でも、その二人の息子さんや娘さんと繋がりがある。先輩の長男さんに我が家のリフォームを頼んだり、顎尻おやじの母親の家を次男さんがリフォームしてくれたりと息子さんは手広く家の建築関係の仕事をされている。

 娘さんも、すっかりエエお母さんになられてて、ちょうどハウルと同い年の一人娘さんがいる。ちょうどコロナ前かな、先輩の娘さん一家とウチの家族でキャンプに

  天川村

に一泊泊まりで行ったこともある。まさしく家族ぐるみの付き合いである。

 そんな家族ぐるみの付き合いがあった先輩がコロナ禍で亡くなったと連絡をくれたのも、娘さんからであった。お葬式もすでに済まされていた…。

 

 すぐさま、当時先輩に世話になった後輩と二人で先輩の家を訪れ、手を合わせた。その時に、先輩の家の近くにお墓が建つ計画を聞いた。

 その墓地は先輩の家の近くで歩いてお参りにも行ける好立地。ここなら、

     寂しくないなぁ

と心の中で呟いたのを覚えている。

 それから半年ぐらい経った頃、どれどれ

 「もう先輩のお墓もできているやろう」

 「ちょっと一人でお墓参りに行ってみよう…。」

と思い経ち、先輩の近くの墓地へ。墓地の場所は知っていたが、その墓地のどこにお墓が建つかは聞いてなかった。でも顎尻おやじには確信があった。

 お墓の位置は分からなくても、先輩が顎尻おやじに「こっちやで」と導いてくれる

って変な自信。それに先輩の奥様や娘さんに聞いても良かったんやが、ご家族さんに変なお気遣いをされても困るしね、そう思って黙って墓地に一人訪れた。墓地はそれ程大きなところではなく、一見して見渡せる程度の墓地。一つ一つ見ていけば新しい墓地はすぐに分かるはず。それに変な自信、

 先輩が呼んでくれる

はず。

 しかしである。墓地の中を一つ一つ丁寧にお墓を探しても、先輩のお墓と思われる物が見当たらない…。そして

 呼んでもくれない…。

なんでか分からんけど、先輩、呼んでくれないし見つからない。

 でもあれから半年ぐらい経っている。墓地は決まっているので、お墓ができるのに、そんなに時間はかからないと娘さん、息子さんも言っていた。それにお盆前にはできているであろうと勝手に確信していた。この予想に間違いはないはず。そう思って墓地をくまなく再度探すも

 ない

見当たらないのである。そして

 先輩も呼ばない

のである。

 おかしい、おかしい

と思いながら探すも見当たらず。その時は諦めてそのまま帰宅した。そして数週間経って先輩の娘さんにラインすることがあり、そのついでに、お墓のことを

 それとなく

聞いてみた。そうすると驚きの回答が…。

 お墓、まだ完成してない

とのことである。

     えー

って思っていると文章は続く。先輩の娘さんからのラインでは

 実は、兄妹で色々話し合ってお墓の石やらデザインやら検討してたら、家族皆んな拘りが強く、一向にお墓のデザインなどが決まらず、いまだに完成してないねん

と建築家の兄弟と、一際こだわりの強い娘さん、先輩想いの奥さんならではの

   迷想

状態。

 そら、墓地に行っても

   先輩、呼んでくれへんわ…。

まだ墓地に埋まってなかったんやから。それなら、なんで

 そこにはまだ俺いてないよ

って言ってくれなかったんやろう…。以前流行ったお墓の?歌のようにまあ、

 しゃあない

か。

 それから数ヶ月後、あらためてお墓参りに行った。

       それは、それは素晴らしいお墓

だった。こだわりと想いのギュッと詰まったお墓。

       先輩ありがとうございました。

         あなたから受けた

               恩恵は次の世代に…。

何度も手を合わせた。そしてその後も、なんどか一人でお参りに行く。たまに子供達も連れていったりする。元気なうちにもっと会っておけば良かったのにね…。

       アホやな…。

顎尻おやじ。

   

                  

                     つづく…。

コメント

タイトルとURLをコピーしました